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齋々亭俳句会 (序) 

 昨日の謎めいた会合の正体とは・・・・・・『齋々亭俳句会』という句会でございます。

 いつもながらもったいぶったフリをしてしまい申し訳ございませんが、呼んで字の如し、俳句を楽しむ会合でございまして・・・。

 俳句会というと、近付き難い、お堅い雰囲気の集いをイメージされる方が大部分だと思います。
 斯く言うふとどきめも、およそ2年ぶりに訪れたオヤジ(以前にも登場した師匠のことです)の店(バー)でカウンターに座るや否や、「最近、俳句会を開いているんだ」と、言われた日には、一体、俺の居ない間に何事があったんだと、我が耳を疑ったものでした。

 そのお店、“Our-Gang アワーギャング”は知る人ぞ知る、福岡は親不孝通りの伝説の名店“勝手にしやがれ”のオーナーが“勝手”を畳んだ後に開いたお店でございまして、わたくしに「酒とは何ぞや」を叩き込んでくれた・・・・・・良くも悪くもそんなお店です。
 プロレスプロデュース軍団・HAKATA-GANGの総本山として、プロレス者にとっては羨望の地であり、様々なミュージシャンのライブ小屋であったり、映写機を引っ張り出してきて映画イベントを開いたり、役者と役者を目指すもの達の溜まり場だったり・・・・・・。
 不肖・ふとどき、20代の頃は数え切れないほどの夜をOur-Gangのカウンターで過ごし、様々なことを学させて戴き、またいろいろと遊ばせても戴きました。
 福岡は言うに及ばず、全国各地の酒飲み達が集うその場。夜な夜な芸能人や有名人、映画関係者に演劇人、音楽人、プロレスラーは言うに及ばず、地元財界のお偉いさんやマスコミ業界人、もちろんサラリーマンも学生もプータローに酔っ払いe.t.c. e.t.c.・・・が蠢いて・・・・・・。
 いつ、何時、どんな人物と席を共にするかわからない緊張感。若さしか武器を持たないふとどきは、それはもう絶大なプレッシャーを浴び続け、知らず知らずに鍛えられたものでした。

 やがてサラリーマンの世界にどっぷりと染まり、終電に乗るのがやっとの生活を続ける内に、2年間も足を遠ざけてしまうことになってしまい・・・。
 ただ、オーナー・・・そう、オヤジはタレントやナレーションの仕事もしておりまして・・・。
 毎夜、午前様で帰宅し、くたびれ果てて深夜のTVをつければ、ローカルCMでオヤジの声がガンガンと流れて来ていましたし、竹中直人さん演ずるバーのマスターが繰り広げる物語・・・福岡競艇のCMの舞台はまさにOur-Gangでしたので、2年間もオヤジと酒を飲んでいないなどと、意識したこともなく、ただただ日々の業務に忙殺されておりました。

 ある日、ふと、気付いたのです。
「最近、オヤジの声をTVで聞かないな・・・」
 その瞬間、思えば2年の歳月が過ぎ去っていることに愕然とし、心配が膨らんで・・・。
 翌日、仕事を無理矢理切り上げ、Our-Gangへと駆けつけたのでした。

 雑居ビルの2階に有るその店。
 階段の踊り場からそっと店内を伺い、そこに足を踏み入れる度胸のない者も居た、近寄り難いオーラすら纏ったその店。
 実は、若かりし頃のふとどきも1階から階段を上り始め、踊り場で折り返して店の入口を目指すことに畏れを感じておりました。
 そんな気恥ずかしさもどこ吹く風。飛び込んだ入口の向こうでは、何事も無かったように、温かくオヤジが握手で迎えてくれたのでした。
 歴代の弟子のみなさんの末席を汚すふとどきの無沙汰、不義理。以前だったら、問答無用で殴られていたことでしょう・・・。


 で、そんなこんなでカウンターの左端、かつての指定席に腰を下ろして、グラスにビールを注いだ、早々の話題が“俳句会”だったのです。

「最近、俳句会を開いているんだ」
 あまりにオヤジのイメージとかけ離れたそのセリフに、思わずベンチシートから転げ落ちそうになったものでした。
 ギンギンに尖がって、グデングデンに酔っ払ってたあのオヤジが、なんでまた古風な“俳句”なんぞを・・・。
 当時はそう思ったものです。


 さぁ、その“俳句会”の実態は・・・・・・・・・、また次回。

 いつもこんなんですみません。



“勝手にしやがれ”、“Our-Gang”の名立たる常連の方々、諸先輩の皆様方。若輩のふとどきこと、いわもとあきらが中途半端に店の想い出を切り取ってしまってすみません。
 名著、『親不孝通りの迷宮 勝手にしやがれ伝説』に乗り遅れ、“Our-Gang”デビューを果たした者でございますので、どうか御容赦の程を・・・・・・・・・。




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[ 2007/11/12 22:55 ] 何でもあり! | TB(0) | CM(0)